右を向いても左を見ても、バカとアホウの絡み合い・・・・・・

鶴田浩二「傷だらけの人生」。言葉は適当でないが、戦後の一部すさんだ世相を映した歌詞が、グローバル化の進んだたった今の世界にもそのまま当てはまるというのだから、何とも不思議で物哀しい気分にさそわれる。トランプ、プーチン習近平、ものの小さな金正恩。そしてもっとものの小さな安倍晋三もこの流れの中にいる。考えるのは、自分の国のこと、そして自分自身のことばかり。それらが互いにいがみ合っている。
 そこへカルロス・ゴーンも加わった。「会社を救う。みんなのために業績をⅤ字回復」コストカット、首切りのカリスマ、カルロス・ゴーンが浮いたお金で私腹を肥やす。耳目を閉じることによってしか心穏やかにこの世を過ごすことはできないのか?
 それでも、「自国ファースト」ならまだ罪は軽い。国、国民のことを考えているのだから。トランプの政策でさえ、自分の人気取りだけではなさそうな何かも含んでいるような気がする。それに引き換え、ようやく週刊誌に言葉が登場したが、わが国の安倍晋三にいたっては「安倍ファースト」、「俺ファースト」1本なのだ。国家国民のことなど全く念頭にない。加えて、それを良しとして盲従する自民党国会議員がワンサカといて、これを守っているというのだから厄介だ。日本国民はまことに危うい。
 この視点で安倍の行動を見ると、複雑そうな日本の国内問題、国際問題もスッキリと読み解ける。まず消費税増税、来年の参議院選挙に衆議院解散でダブル選挙をぶつけられないか、国民世論の動向を見極めようと、閣議でちらりとアドバルーンを上げてみる。世論が厳しいようなら衆議院解散の口実に消費税増税のさらなる延期を使う。野党の現状からは、それが唯一参議院選挙で議席を減らさずに済む方法だろうし、あわよくば、自民党の圧勝もあり得る。安倍の妄想は膨らむだろう。国家財政や国民生活を考えてのことではない。自分の権力維持の手段としての優劣が彼の取る行動の唯一の判断基準だからだ。
 これはしかし、その後の議論の展開、各階各層の素早い増税への準備とその加速状況からすると、案に反して後戻りは難しそうな雲行きだ(しかし、消費税の使い道の変更で衆議院を解散する人のこと、まだ分からないが・・)。
 そこで、今度は北方領土だ。プーチンの誘いに乗って、「まず2島返還に道筋」「私がこの問題を解決する」と記者会見で胸を張った。これもうまくいけば、外交成果として衆議院解散の材料にできる。しかし、そのはしゃぎぶりに、その翌日には「返すことと領土、主権は別問題」とプーチン冷や水をあびせられ、世界に赤っ恥を晒した。これもまた、ダブル選挙へのこだわり、総裁選、沖縄知事選で明らかになった国民の安倍離れへの焦りからの拙速行動とみると分かりやすい。プーチンには扱いやすい相手だろう。
 また、「憲法を押し付けられた」「戦後からの脱却」と言いながら、トランプには常にペコペコ、尻尾を振る。国民として、見ていて恥ずかしいほどだ。口にする言葉もすべてが軽く、彼が政治家として絶対に譲れない何らかの信条を持っている人物とはとても思えない。
  外国人労働者の受け入れ。政権維持に財界の支援は欠かせない。自民党への政治献金も復活してくれた。財界の要望なら黙って聞く。「急いでくれ」にも言いなりで、国会審議もちょちょらに来年4月実施にひた走る。
 この10月株が大きく下がったが、思ったとおり、日銀は8700億円もの札を刷って株を買い、必死に株の値下がりを抑えていた。株主は大喜びだろうが、今や株価の経済のバロメーターとしての機能は失われてしまっている。今月は日銀がいくら株買いの札を刷るのかが株主心理、株価を左右する(証券アナリストにも今の日銀黒田は商売上の虎の子、隠し玉、「日銀が買ってくれるから安心ですよ」などと決して口にしない。ナイショ、ナイショ。広く知られれば国民は黙っていない)。これも名目は景気刺激策ということだが、何のことはない、日銀黒田の安倍政権へのよいしょ仕事、「日経平均株価」が好調アベノミクスの旗印。粗末なカラクリに国民が気づかぬうちは通用する。そしてまた、株主富裕層の支持さえつないでおけば安倍自民党は安泰でもある。それが彼らの目論見。国民は平等に扱うこと、国民みんなの生活はどうなのかなどもともと眼中にはない。
 「憲法改正を自分の手で」「北方領土問題を次世代には残さない」?? やめてくれ!どれもこれも、じっくりと議論を尽くして大方の国民の理解があって初めて終止符を打つことのできる国家、国民にとっての一大事だ。おじいさま、おとうさまの悲願を任期中に自分の手で実現する?? 個人的関心事程度に扱われては堪らない。しかも、彼は、三つ指総理を除けば、自民党歴代総理の中でも、その任に最もふさわしくない人物なのだから。
 私のブログとしては繰り返しになるが、来年の参院選まで決して忘れないでいよう。呼吸するように嘘がつける、「私は森友に100万円渡していません」「私が加計学園獣医学部の新設を知ったのは最後の認可の時」! 部下にも嘘を強いる「私は柳瀬さんを信じます」! 文書の改竄指示、国会提出、国民を欺くことも平気(怒りと絶望の自殺者まで出した文書改竄、麻生の指示に決まっている。麻生の指示なら安倍も当然知っている。安倍に恩を売らずにこれほどやばい橋は渡れない。だから安倍は麻生を切れない)。これほど酷い総理がその椅子に座り続ける! 許されないことだ。来年の参議院選挙が、少しでも今よりましな日本にするための大事な大事な国民の主権行使の第一歩になる。国民一人一人がこの間の彼のあらゆる不祥事を再確認し、その醜悪な国会対応を思い出し、怒りをあたためて、その時に爆発させたいものである。